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 AERAの連載「はたらく夫婦カンケイ」では、ある共働き夫婦の出会いから結婚までの道のり、結婚後の家計や家事分担など、それぞれの視点から見た夫婦の関係を紹介します。2021年7月5日号では、設計業務に特化したクラウドソーシングサイトを運営する矢野貴大さん、0歳から100歳までの入浴ケアなどを行う訪問看護師の矢野葉子さん夫婦について取り上げました。

【「一緒に住んで、1年後に婚約しよう」 ロジカル型と直感型で補い合う夫婦】



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夫27歳、妻25歳のときに結婚。長男(8)と長女(5)の4人暮らし。

【出会いは?】お互い学生時代に北海道の病院で入院し、同じ病棟だったことがきっかけで知り合った。

【結婚までの道のりは?】夫は大学院、妻は看護学校を卒業後、2人で上京。2年間の交際を経て、2010年に結婚。

【家事や家計の分担は?】夫が会社員時代は、平日の家事と育児は100%妻が担当していたが、夫の起業後は、夫婦で分担するように。財布は別で、家のローンは夫、食費は妻など大まかに決めている。


矢野貴大[37]
フルー 社長

やの・たかひろ◆1983年、埼玉県生まれ。北海道大学大学院修了後、鹿島建設に就職。11年間設計職に従事した後、独立。2020年7月に、設計業務に特化したクラウドソーシングのサイトを運営する「フルー」を起業。1級建築士の資格を持つ

 昨年、11年勤めた建設会社を退職し、独立しました。その理由の一つは、家での時間をもっと作りたいと思ったからです。以前は、平日の育児と家事はすべて妻が担当していました。子どもを叱り、なぐさめる両方の役を1人に任せてしまい、過度な負担をかけてしまったことを反省しています。

 起業後は在宅勤務となり、家事、育児、仕事の時間を24時間の中で調整しています。子どもたちには、朝自分で起き、歯磨きをするなど基本的な習慣を率先してできる「自主自立」できる人になってほしいですね。何かに夢中になると、親の話を聞かなくなるため、例えば食事の時間がきたら、実際にごはんを見せて集中をいったん途切れさせたり、「しなさい」ではなく「したら?」と提案したりするなど、工夫をして子どもたちに対応しています。

 今後の目標は、まずは会社を軌道に乗せること。育児と家事とのバランスを取りつつ、収入面を安定させていきたいです。

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