■「みかん」と「りんご」の実験とは?

 もうひとつ、頭の中を切り替える方法についてお話しするのが、ストレスを感じたときに「楽しいこと、好きなこと、リラックスできること」を思い浮かべること。精神的なストレスを抱えている人に、その対処法として「ストレスになることを考えないように」というものがありますが、それは脳のしくみから言っても無理なことです。これを理解するために体験していただきたいのが「みかんとりんごの実験」です。

1)頭の中に「みかん」を思い浮かべないでください
きっと、みなさんの頭の中には、みかんが思い浮かんだはずです。次に、

2)頭の中に「りんご」を思い浮かべてください
りんごが浮かびましたよね。このとき「みかん」は頭から消えたはずです。

 私が言いたかったのは、思い浮かべないでくださいと言った「みかん」がストレスだとすると、それを消すためには「りんご」、つまり別のことを思い浮かべる必要があるということ。その別のことが「楽しいこと、好きなこと、リラックスできること」です。これで体はリラックスします。

 リラックスは副交感神経の働きなので、交感神経がお休みできて体は回復します。ストレスになることが頭に浮かんで来たら、好きなことなどを頭に浮かべ、無理やり頭を切り替えましょう。リラックスするためのトレーニングだと思ってこれを習慣化することで、自律神経の症状が軽くなっていくはずです。

■ストレスにならない考え方を作り出す方法

 自律神経を整えるためには頭の切り替えが大事です。うつ病を患った際に精神的なストレスを減らすためには、自分自身の考え方が大きく左右することも学びました。同じものを見たり、同じ出来事に出合ったりしても、私はそれにイライラし続けて体調を崩すのに、ある人は上手にやり過ごし健康に過ごせる、この違いは何か?を考えてみたら、自分が持つストレスを生み出してしまう考え方のくせに気づきました。

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