7月7日時点で少なくとも1回接種した人が67.3%となったイギリスでは、今月19日にマスク着用や他人との距離確保のルールは廃止されるとの見通しとなっています。ボリス・ジョンソン首相は声明で、「われわれはウイルスと共存することを学び始めている」と指摘した上で、今後は法律による強制よりも、確かな情報に基づく個人の判断が重要だと強調したといいます。
日本はどうかというと、7月9日時点で、新型コロナウイルスワクチンを少なくとも1回接種した人の割合は28.5%です。4度目の緊急事態宣言下での東京オリンピック開催。イギリスのように早くワクチン接種を進めていれば、無観客観戦は免れられたかもしれません。
今は新型コロナウイルスワクチンに関心が集まっていますが、災害ボランティアをする際に必要なワクチンは、コロナワクチンだけではありません。国立感染症研究所は、接種を推奨するワクチンとして、麻疹・風疹混合ワクチン、水痘ワクチン、ムンプス(おたふく)ワクチン、破傷風ワクチン、A型肝炎ワクチンを挙げています。
以前もご紹介しましたが、破傷風のワクチン接種は災害ボランティアをする前にはぜひ接種していただきたいワクチンの一つです。片付けの際に手足に切り傷ができてしまうと、土や泥の中に潜んでいる破傷風菌が傷口から体内に侵入し、破傷風を発症します。重篤な場合、呼吸筋が麻痺して窒息死してしまうのです。
破傷風菌は酸素がある環境下では生きることができないため、熱や乾燥に強い芽胞という形で、世界中の土の中に広く生息しています。転倒による事故やガーデニングや農作業などの土いじりの際にできた傷口からの感染が最も多いと言われています。地中や木材に使用されている古いクギで怪我をしてしまっても、破傷風に感染するリスクが高いです。ボタンティアの際の、泥まみれの後片付けや壊れた家具やガラスの片付けなどでも気をつける必要があります。