人知れず、西村大臣の炎上より1か月前にひっそりと始まっていた圧力だが、政府はこれもこっそり撤回しようと動いているという。そのきっかけになったのが、川松真一朗都議が14日朝に公開したツイートだ。ツイートの冒頭には「【重要】」と強調され、こう糾弾する。

<西村大臣発言ばかりがマスコミやSNS上で展開されているが、東京都の酒販業者が支援金給付を申請する際、「酒類の提供停止を伴う休業要請等に応じていないことを把握した場合には当該飲食店との取引を行いません。」を誓約させる事になっている。こうやって締め付けを行なっている都政>

 皮肉にも川松都議は、「菅親衛隊」とも言われるほど、菅首相とは近しい関係だという。

「度々首相のもとを訪れ、政府でも名の知れた人物です。今回のツイートは、『政府だけではなくて東京都もやってるじゃないか』という主張で、菅首相を守ろうという意図があったのでしょう。実際には政府の通達によって自治体は動いているので、結局はブーメランとして菅首相に戻ってくるという残念な結果になります。このツイートを受けて内閣官房、内閣府は、また炎上してはかなわないと、慌てて文書を撤回しようと内々で検討し始めました」(官邸関係者)

 AERAdot.はきっかけとなった川松都議を直撃し、ツイートした意図を尋ねた。

「細かいことは知りませんでした。ツイートした後に政府の通達だったと指摘があり、知りました」

 政府からの通達と知り、怒りはどうなったのか。

「政府も問題だし、内閣官房、内閣府、東京都にしても、町場の空気を感じなさすぎじゃないかと思います。都民や国民、飲食店の経営者、お酒の販売業者の側に寄り添って、政策を推し進めるべきです。それを代弁する人がいないから、ぼくが代弁している。そうすると、こういう通達は怒りでしかないです。憤りですね。きわめて悪質なお店を取り締まる方が必要。立て付けが悪いと思います。今は東京の町場を守るため、相手は誰であれ、言いたいことは言いますよ」

「第3の圧力」は撤回されるのか。注目が集まる。
(AERAdot.編集部 吉崎洋夫)

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