橋本聖子組織委会長、小池百合子都知事は何を思う (c)朝日新聞社
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(週刊朝日2021年7月30日号より)

 いよいよ東京オリンピック・パラリンピックの幕が開く。アスリートたちのひたむきな姿が、そこにはある。だが観客はいない。こんな五輪にしたのはだれだ。私たちはどう応援すればいいのか。懸念されていた問題は、どうなった?

【テレビ各局のキャスターの顔ぶれはこちら】

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 まずは、テレビ各局のキャスターの顔ぶれを見よう。NHKは当初、アイドルグループ嵐を起用し、米津玄師が作詞作曲して嵐が歌う「カイト」をテーマ曲、同じ米津作品でFoorinの歌う「パプリカ」を応援曲に使う予定だった。

「ご存じのように嵐は昨年末で活動を休止。五輪は、ラストイヤーの5人の大きな見せ場となるはずでした」と、あるテレビ関係者は語る。

 結局、相葉雅紀と櫻井翔がナビゲーターを務める。「嵐の活動休止の延期や、期間限定で5人が再集結するうわさも流れましたが、かないませんでした。2人を起用したのは4人だと大野(智)くんの不在が強調され、3人だと残る1人が仲間外れのように見えるからです」(前出の関係者)

 民放は昨年発表から変わりなし。昨年、公式発表がなかったテレビ朝日は2004年のアテネから9大会連続となる松岡修造がメイン。どの局も「スペシャル」やら「応援団長」やらにメダリストや芸人、タレントが多数登場する。

 大会運営を巡る問題は解消されただろうか。

 トライアスロンなどが行われるお台場海浜公園は、19年のテスト大会で「トイレのようなにおいがする」と選手から指摘が相次いだ。その後、アサリがすむことで水質が良くなると期待して砂の投入などの対策に取り組んだが、根本的な改善にはなっていないようだ。ただ大会組織委員会は「晴天時なら問題ない」としている。

 真夏の開催で、「暑さ対策」は当初から懸念されていた。国立競技場は「風の大庇(おおびさし)」「風のテラス」と呼ばれる構造で熱気を外に逃がす。3階などには「気流創出ファン」を設置し、涼しさを運ぶという。だが無観客開催で、観客がその効果を実感するのは難しくなった。

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