東京五輪でU-24日本代表は22日にグループリーグ初戦・南アフリカと戦う。メキシコ、フランスと強豪国がひしめくブロックに入ったが、勝ち抜く力を十分に備えている。
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「オーバーエイジのDF吉田麻也、DF酒井宏樹、MF遠藤航が入ったことで守備が一気に引き締まった。攻撃陣もMF堂安律、MF久保建英、FW上田綺世を中心に多彩な攻めを展開できるタレントがそろっている。フランス代表が大幅な戦力を余儀なくされたのも、大きな追い風です。日本代表は選手層が厚いので予選リーグを勝ち抜けば、その勢いで十分にメダルを狙えると思います」
フランス代表はパリ・サンジェルマンのキリアン・エムバペがエースストライカーとして期待されたが、クラブの強硬な反対で招集を断念。さらに、18人の最終メンバーを発表した後、クラブ側が難色を示したことで、8人の選手をリストから外す事態となり、チーム構築の見直しを迫られている。
U-24日本代表は試合を重ねることで連携の精度が高まり、チーム力が上がっている。17日の金メダル候補・U-24スペイン代表との国際親善試合では、前半42分に堂安が久保のアシストから左脚を振り抜いて先制ゴール。後半に追いつかれたが、ボールを保持する相手に対して粘り強い守備で決定機を許さなかったのは評価できるだろう。
ただ、森保監督の采配に関しては、評価が決して高いわけではない。昨年1月の東京五輪アジア予選を兼ねたU-23アジア選手権では1次リーグ敗退。日本はホスト国として本大会の出場権は得ていたが、ベストメンバーではなかったことは敗戦の言い訳にならない。「交代のカードを切るタイミングが遅い」、「相手のベンチワークに対応できていない。すべてが後手、後手で受け身に回っている」など批判の声が挙がり、解任論が飛び出したほどだった。
「森保監督は選手個々の能力を伸ばし、組織として熟成させる能力に長けている。サンフレッチェ広島の監督で4年間に3度のリーグ優勝を果たした手腕でそれは証明されています。ただ試合途中にシステム変更や選手の交代などで戦局を変える采配については、あまり得意ではないと思います。策士というタイプではないですね」(日本代表を取材するテレビ関係者)