日本代表チームの第3次合宿は五輪開幕前の7月16日から。それまでは所属の練習が中心になります。五輪まで全国大会はありませんが、地方の水泳連盟の協力を得てレースに出場する代表選手もいます。7月3、4日には神奈川県相模原市で競泳委員会が提案するプログラムで競技会があり、日本代表はリレーメンバーを中心に出場します。

 これまで五輪で私が指導してきた選手は、この時期に海外合宿をすることが多く、ヨーロッパなどの大会でライバルと競り合う経験を経て、本番に挑んでいました。今回は新型コロナウイルス感染拡大の影響で海外の合宿が困難なため、国内で強化を続けます。

 指導する萩野公介、青木玲緒樹(れおな)、大橋の3人は長野県東御市の準高地で合宿を続け、6月26、27日には長野県の高校生の大会に出場させてもらいます。午前中に決勝がある東京五輪のスケジュールに合わせてレースを泳ぐ予定です。

 五輪の競泳では2008年北京大会以来となる午前決勝で、どうやって力を発揮するか。今回の勝負のポイントの一つです。英国では五輪対策として朝決勝の大会を開催していました。英国代表のコーチ陣とは情報交換を続けています。全国組織が短い準備期間で柔軟にレベルの高い大会を計画・実施できる体制は見習うべき点だと思います。

 日本水泳連盟主催の競技会で、トップ選手が競い合える予選、決勝がある大会の年間実施回数は、私が大学生だった30年以上前と変わっていません。東京五輪を節目として次のサイクルに入るとき、競技会の計画を見直していく必要があるように思います。(構成/本誌・堀井正明)

◎平井伯昌(ひらい・のりまさ)/競泳日本代表ヘッドコーチ、日本水泳連盟競泳委員長。1963年生まれ、東京都出身。早稲田大学社会科学部卒。86年に東京スイミングセンター入社。2013年から東洋大学水泳部監督。同大学法学部教授。『バケる人に育てる』(小社刊)など著書多数

※週刊朝日  2021年6月25日号

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