国の威信をかけた五輪のためには人の命や健康が少々犠牲になっても仕方がないという思想を内包し、国家主義的で民主主義の考え方を否定する発言だと厳しく批判する。

「人命より国家目的を優先する考えは、安倍氏の周りにも強く見られるようになりました。東京五輪への対応は、政治家がどこまで人命を尊重するかを測る試金石となりました」(孫崎さん)

(編集部・野村昌二)

AERA 2021年8月2日号より抜粋

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野村昌二

野村昌二

ニュース週刊誌『AERA』記者。格差、貧困、マイノリティの問題を中心に、ときどきサブカルなども書いています。著書に『ぼくたちクルド人』。大切にしたのは、人が幸せに生きる権利。

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