その差はわずか0.05秒だった。
東京五輪競泳男子200メートル個人メドレーの決勝が30日、東京アクアティクスセンター(江東区)で行われ、瀬戸大也が1分56秒22で4位でメダル獲得を逃した。
瀬戸は今大会では3種目に出場。五輪前のインタビューでは「金メダルは99.9%」と自信を見せていた最も得意とする400メートル個人メドレーでまさかの予選敗退。その後の200メートルバタフライでも、決勝には進めず、試合後のインタビューでは、
「もう1回泳ぎたい。やっちゃった」「自分でもちょっと信じられない」
「しっかりと気持ちを切り替えて、納得いくレースがしたい」
と吐露した。
苦戦が続く瀬戸を最後まで信じてエールを送り続けたのが、元飛び込み日本代表で妻の馬淵優佳さんだ。本誌が7月中旬におこなったインタビューでは、長野県の高地合宿に入った瀬戸とのコミュニケーションについてこう明かしていた。
「合宿や遠征で会えないときは、LINEのビデオ通話で話しています。今日も朝かかってきました。合間合間にかけてくるので、3分とか5分とか短いですが、日に10回くらいのときも。なるべく出られるようにはしています」
会話の内容は、もっぱら2人の子どもたちのこと。今日何をしたか、どんなことを話したか――他愛ない日常について話すことが多いという。
「子どもたちは、『パパいっつも泳いでるじゃん』『いっつも裸じゃん』って言ったりして、おもしろいんです(笑)。私にできることは、とにかく普段どおり過ごすことだと思っています。たとえば私が事故に遭ったり、娘が怪我をしたりすると心が乱れてしまう。言いたいことがあっても、五輪が終わってからにしようと思って我慢してるんです」
と冗談をとばしながらも、「(我慢していることは)特にないんですけどね」とつぶやいた。
五輪で瀬戸が思うような結果を出せないなかでも、自身のインスタグラムには日常の様子を載せ続けた。朝の情報番組でも、暗い顔を見せることなく瀬戸やほかの選手に応援の言葉を送った。