■渡辺祥子(映画評論家)
評価:★★★★
妻と共に愛し、妻亡きあとは愛して描き続けた猫。デフォルメされた顔と擬人化で猫を描いて人々を魅了しながら、自身は心を病んでいたウェインの人生は、庶民の貧しさとは違う上流階級の貧乏暮らしの大変さを伝えている。
■大場正明(映画評論家)
評価:★★★
ウェインの人生に影響を及ぼすのは妻と猫だけではない。幼少期に悩まされた悪夢を引きずり、電気の可能性に取り憑かれ、妄想に振り回されていく。カンバーバッチは、そんなユニークで複雑な内面を見事に表現している。
■LiLiCo(映画コメンテーター)
評価:★★★★
ずっとある猫ブーム。こんな始まりだったとは全く知らなかった。人との出会いが彼の運命を変え、契約関係で失敗しながらも、陽気な絵はみんなに響いた。電気と愛の絡みがすごく素敵でした。このバッチ様、超最高!
■わたなべりんたろう(映画ライター)
評価:★★★
せわしないカメラと編集、戯画化されたキャラクターはテリー・ギリアム作品のようでもある。物語性のある人物だからこそ、じっくり撮ってほしかった。憐れみを幾分感じさせるような視点は似合わないように感じた。
(構成/長沢明[+code])
※週刊朝日 2022年12月9日号