※写真はイメージです (GettyImages)
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湿気で発生したキノコ (さくら事務所提供)
湿気で発生したキノコ (さくら事務所提供)

 新築に手が届きにくい人にとって、美しくリフォームされた中古のマンションは値ごろ感もあって好物件だ。多くは適切に改装されているものの、一見しただけではわからない“落とし穴”も潜むという。

【衝撃写真】湿気で発生したキノコ

前編/かび隠し、勝手に穴開け 1億円被害もあったリフォームの実態】より続く

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「中古マンションは単純に築年数で判断するものでない」と指摘するのは、1級建築士でマンションの修繕・改修コンサルタントを手がける計画機構(東京都世田谷区)の野崎隆代表だ。そんな野崎さんは、マンションの問題を見抜くには「『音』と『設備』に注意したほうがいい」とアドバイスする。

 音については、都心部のタワーマンション上階に住む人の騒音がひどかった事例を挙げる。

 開発販売した不動産会社と一緒に現場調査に立ち会ったところ、「安普請のつくりだった」(野崎さん)。1部屋ごとにコンクリートの壁と床に囲まれたつくりならば密閉状態だが、タワマンのような鉄骨系の建物は壁と床の接合部が隙間だらけで音が伝わりやすいのだという。

■間取り変更注意 担当者選び大事

 注意すべき設備としては、キッチンやトイレ、風呂など水回りの配置だ。とくに中古マンションは水回りを大きく変更することがあり、確認しておいたほうがいい。

「例えばキッチンの位置を変えた場合、配管の距離が適切でないと、水がきちんと流れないことがある」(同)

 共有部分の内廊下の側にあったキッチンを窓側につくり変えた場合、長い配管が必要になる。そうなると、床下の高低差に限りがあるので配管の傾斜が十分にとれず、水の流れが悪くなってしまう。浴槽を窓側に移した場合は栓を抜いても、完全には水が抜けないような状態を引き起こすというのだ。

 水洗トイレで水を流す際は、管内の空気を逃がす通気管がないと水が流れにくい。この通気管は建物の屋上に通じていて、必要に応じて弁が開閉する仕組みになっている。リフォーム業者がそれを理解せず、「いい加減な工事をしていると臭いが出てくる」(同)そうだ。

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