中古マンションでリフォームされた物件は、間取りや水回りなどが建築前と、あまり変わっていないかどうか。竣工(しゅんこう)時の図面などで確認することも必要な対策だという。

 さらに、備え付けの設備にも注意を促すのは、住宅ジャーナリストの榊淳司さんだ。

「給湯器は十数年くらいで故障して、お湯が出なくなります」

 給湯器などは“寿命”に注意すべきだとする。

 設置済みのエアコンがそのままの場合も、マンション購入後にすぐ故障しかねない。ガスコンロなども同様だ。

 中古物件では設備の性能まで保証しないのが一般的だが、中古マンションの売り手が法人の場合は「1年の契約不適合責任がある」(榊さん)。

 物件探しのチェックポイントにも“コツ”があるという。

 エントランスホールやごみ置き場が汚れていないか、掲示板に数年前の古いものや、変な告知がないか、管理スタッフの応対はどうか──。とかく部屋の内部に関心が向いてしまうが、エントランスや廊下などの共有部分にも目を凝らしたい。

 念入りにチェックしたい場合、管理組合が毎年開催する総会の議事録を閲覧すればいい。利害関係者の請求で閲覧させる義務があるため、中古マンションを買おうとする人も利害関係者に該当し、閲覧できるという。

 ただし、閲覧方法までは明示されていない。榊さんが知るケースで、関東地方の築十数年のタワマンの部屋を購入しようとした人が、議事録の閲覧を求めたところ、管理組合側から日時を指定され、過去1年分だけを閲覧することができた。コピーや写真撮影などは許可されなかったという。

「議事録まで見る人は少数派です。問題なければ通常、見せてくれます」(同)

 実際に物件を下見した際には、管理スタッフや近所の住民と世間話をしてみるのもいい。住みやすい環境にあるのか、購入前に小さなことでも情報を得ておきたい。

「不動産業界は担当者しだい。物件選びより、担当選び」と住宅診断などのコンサルティングを担うさくら事務所(東京都渋谷区)のホームインスペクター(住宅診断士)、田村啓さん。中古マンションを買うときは、信頼できる仲介会社や担当者を選ぶことが大事だという。

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