「ハイジ」を見て育ち、学生時代の80年代半ばに現地を旅したという50代男性はこう振り返る。
「私が行った85年ごろは、現地の人に聞いても『ハイジ』という作品自体をよく知らないような感じでした。なんで観光地でもなんでもなかったところに日本人がこんなにいるのかと不思議がっていましたね」
その後も現地を訪れる日本人観光客は続き、現在では「ハイジ」にまつわる博物館「ハイジハウス」や、ハイジのおじいさんの住む家のモデルを観光地化した「ハイジヒュッテ」などの施設が整備されている。今では日本人だけでなく、日本のアニメを見た世界中の「ハイジ」ファンが訪れるようになったという。(河嶌太郎)
※週刊朝日 2021年8月20‐27日より抜粋