渡辺:いたらいいけど、そういう人って見つかります?
林:いますよ、ファンの人とか。
渡辺:私のファンって、男の人はあんまりいないんですよね。
林:そういえば、さっきお金の話されてたけど、えりさん、会社社長で大金持ちの奥谷(禮子)さんと仲良しなんでしょ? 「私、渡辺えりさんと仲良し。このあいだもごはん食べたの」とおっしゃってましたよ。うちの隣に空き地があったんだけど、彼女、そこに大豪邸を建てて引っ越してきたの。
渡辺:ほんとですか。遊びに行っちゃダメですかね。それでちょっとお金の相談を(笑)。計算してみたら、演劇塾は絶対に儲からないとわかったんです。新幹線代だけでも往復2万5千円かかるでしょ。でも、山形で習い事の相場は月謝2千円ぐらい。何百人も生徒を集めるわけじゃないから、やればやるほど赤字なんです。
林:「私は林さんみたいにムダなお金の使い方はしない。でも、心を豊かにするものには惜しみなく使う」っておっしゃってるもん。
渡辺:でも、どう相談したらいいんだろう。私、そういうの苦手だからな。家の掃除するとか?(笑)
林:今度、彼女とえりさんと私と3人でごはん食べましょうよ。
渡辺:あ、そうしましょう。ぜひ!(笑)
(構成/本誌・直木詩帆 編集協力/一木俊雄)
渡辺えり(わたなべ・えり)/1955年、山形県出身。78年に劇団2○○(その後劇団3○○に改名)を結成、20年間主宰。83年「ゲゲゲのげ~逢魔が時に揺れるブランコ」で岸田國士戯曲賞、87年「瞼の女―まだ見ぬ海からの手紙」で紀伊國屋演劇賞個人賞。作、演出、出演すべてをこなし、多くの舞台にかかわる。テレビドラマや映画でも活躍。日本劇作家協会会長。舞台「喜劇 老後の資金がありません」(8月13~26日・新橋演舞場、9月1~15日・大阪松竹座)への出演を控える。
※週刊朝日 2021年8月20‐27日号より抜粋