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 河村たかし・名古屋市長が東京五輪で金メダルを獲得した女子ソフトボール日本代表・後藤希友が表敬訪問に訪れた際に金メダルをかじった問題で、国際オリンピック委員会(IOC)などが新たなメダルに交換する方針であることが、11日付けの朝日新聞で報じられた。

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 報道によると、選手の所属先であるトヨタ自動車からIOCに交換を求める要請があり、選手本人の意向も確認した上で調整を進めていた。費用はIOCが負担するという。

 河村市長が金メダルを噛んだ問題で、名古屋市役所には連日、苦情が殺到。8500件を超える苦情(11日現在)が寄せられているという。また、河村市長は15日に市内で開かれるパラリンピック関連のイベントに出席しあいさつする予定だったが、混乱を招きかねないとして、出席を見送ることにしたという。

 問題の愚行は4日に行われた表敬訪問で起きた。河村市長は後藤に金メダルを首に掛けてもらうと「重たいな」とつぶやき、突然マスクを外して金メダルに噛みついた。後藤は苦笑いを浮かべたが、非常識で済まされない行動に批判の声が殺到。後藤が所属するトヨタ自動車も抗議していた。

 さらに、河村市長の「謝罪コメント」も火に油を注ぐ事態に。報道によると、「(メダルをかむ行為は)最大の愛情表現だった。迷惑をかけているのであれば、ごめんなさい」とコメント。反省の意が全く伝わってこないと指摘が相次いだ。

 作家の乙武洋匡氏は「『主役は自分だ』という自己愛。そんな自分への『最大の愛情表現』」と皮肉を交えて指摘し、元プロサッカー選手の武岡優斗さんも「愛情表現とは?????見苦しい言い訳過ぎて…迷惑どうのこうの問題じゃない。そもそも論。リスペクトのなさが最大に行動や言動に出てますね。」と痛烈に批判した。

「金メダルが交換されることになりましたが、河村市長の責任は重い。東京五輪の表彰台で受け取って金メダルは特別なものです。後藤選手は交換しなくても良いという意思を示したと聞きましたが、仲間と共に受け取った記念の金メダルという思いもあったのではないでしょうか。ただトヨタ自動車がメダルの交換を求めるのは当然です。河村市長はアスリートに対する尊敬の念がなさすぎる。謝罪文を見ても、言い訳が目立つし何が悪いか分かっていないような気がします」(スポーツ紙五輪担当記者)

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「金メダルより市長を交換して」の声