「先週末に自民党でも情勢調査を実施。マスコミなどが伝える世論調査と同じく、山中氏が優勢、小此木氏が厳しい数字だったと聞いている。菅首相が『本当にまずい』と二階氏らと協議。これまで菅首相は独自のパイプで公明党にも支援を依頼していたが、それでは足りないと、二階氏ルートを使って再度、公明党に小此木氏への支援をお願いする会合だった」(自民党幹部)

 太いパイプのある二階幹事長からの呼びかけとなれば、公明党も断れなかったという。

「解散総選挙も近く、二階先生から声がかかれば、断れないでしょう。呼ばれた2人は頭を下げているが、党内からは『二階先生からじゃ、しょうがない』と同情論もある」(公明党関係者)

 この会談で横浜市長選の情勢は変わったのだろうか。

 横浜市の自民党市議、公明党関係者、創価学会のメンバーに聞くと口をそろえて「情勢は変わっていない」と語る。菅首相の要請で二階幹事長が会食をセットして頭を下げたが、公明党にも事情があるという。

 今年1月、緊急事態宣言の最中に銀座で豪遊していたことがバレて、議員辞職した遠山清彦前衆院議員が出馬予定だったのが、横浜市長選の主戦場となっている衆院神奈川6区(横浜市保土ケ谷区、旭区)だ。

「衆院神奈川6区の情勢調査では立憲候補が優勢となり、小此木氏は苦戦している。遠山氏の自宅などに東京地検特捜部の強制捜査が8月、入った件が影を落としている。会談で『菅首相の顔に泥を塗ることになる』『総選挙を戦えない』という危機感を自民党が公明党に訴えたようだ」(前出の官邸関係者)

 遠山氏は8月4日には自身が経営する会社のみならず、元秘書2人が勤務していた公明党衆院議員らの議員会館の部屋まで東京地検特捜部から家宅捜索された。表向きの容疑は遠山氏の元秘書らが貸金業の登録がないのに金融機関の融資仲介に関わっていた貸金業法違反だが、東京地検特捜部は「公明党ルート」として捜査を本格化させているという。

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公明党が塩対応の理由は東京地検の捜査