とあるコンビの解散というのは、言ってみれば国家の一大事とかではないので、人生にとっては大きな出来事ではないわけですよね。でも、世論的に興味があったこと、注目されていたことであるのは間違いない。その一番“おいしい”部分を地上波のテレビで放送できなかったのは、その意味テレビの衰退で、テレビの弱さだったのではなかろうか。

 菅さんの会見は夜の9時でしたが、あの時間帯は家にみんないてテレビを観ているとしているんでしょうね。現状はどうかというと、若い子たちは、バイトに行っているかもしれない。友達の家にいる子もいるかもしれないし、飲み屋にいる子もいるかもしれない。

 そんな若い子たちにも菅さんは緊急事態宣言を延長する理由や感染対策を発信しなければいけないわけじゃないですか。本来は、自分の生活に関わる大事なことは、国民が自分で探して観るのがあるべき姿だとは思います。でも、なかなかそうはいかないから、発信するほうが、“NHKでも会見は観られますが、Twitterでもニコ生配信でも何でも観られるるから、観てくれ!”っていうくらいのことをやった方が本気度も伝わるし、普段、総理会見なんて見ない人にも目には留まりますよね。その辺りの発信の仕方も、今、コロナ対策に関して菅さんが説明不足と言われるにつながっているのかもしれない。

 雨上がりさんの会見と菅さんの会見を同時に観ながらそういうことを考えていた。菅さんの会見は言い方はいけないですが、つまらないものなんだけど、オトナだから見ておかないとなと思って、オンタイムで両方を観ていた。

 雨上がり決死隊の解散報告会終わって数日すると、様々な方が“僕が思う雨上がり決死隊の解散”とかYouTubeにたくさんあがっているんですよ。それを観て、今の時代って“語りたがり文化”だなと思った。何かに対して“僕はこう思う”という話をずいぶん語りたがる。YouTubeというプラットフォームがあるからだし、語ること自体が悪いとは思っていない。語りたい人はどんどん語ればいい。語りたがり文化って他にもあるのかなと調べてみたら、YouTubeには、様々な事に関して語っている。ホント、語りたがり文化。大昔はテレビしかなくてお茶の間で文句を語っていたのだけのものだったのが、発信できるようになった。

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