この動画を見たという30代の教職員は、こう主張する。

「ゆたぼんは汐見さんの考えに賛同していますが、2人の考えは似ていないと思います。子供たちが自発的に考えて行動することを目指す観点で見ると、汐見さんの教育論は勉強になることが多い。それに対してゆたぼんの『行きたくなければ学校に行く必要はない。ネットでも勉強できる』は教育の現場で子供に接している人間として異議を唱えたい。学校で学ぶことは勉強だけではないからです。集団で過ごすことでコミュニケーション能力が養われるし、感性も研ぎ澄まされる。なかには気の合わない人間もいる。でもそれは社会でも同じです。気が合わない人間と共同作業することで、新たな一面を見つけて仲良くなるかもしれない。複雑な事情で学校に通えないならともかく、そうでないなら学校に行くか行かないかの選択は自由ではないと思います」

 動画のコメント欄には、「ゆたぼんがもっと早く現れたら良かったのに。今からでも遅くない!!ゆたぼんならこの世を必ず変えれる!!(原文ママ)」という意見がある一方で、「学校に行きたくなければ行かなくてもいいが、もしそれで職に就けなくて食うに困るようになっても、国や自治体は助けないでほしい。自業自得で自己責任だから。生活保護費は税金からだし、やりたいこと我慢して頑張ってきた人たちの血税なんだから(原文ママ)」という見方もある。

 教育に関しては十人十色の意見がある。ただ、学校でしか学べないことが間違いなくあることも事実だろう。(牧忠則)