昨年12月、30歳に。少し顔立ちがシャープになった? 「30歳になって意識がちょっと変わったのは、服や自分の見た目に全く興味なかったけど、表に立つ人間である以上は意識しておかないといけないな、と」(撮影/蜷川実花、strategist of photography/鈴木心)
昨年12月、30歳に。少し顔立ちがシャープになった? 「30歳になって意識がちょっと変わったのは、服や自分の見た目に全く興味なかったけど、表に立つ人間である以上は意識しておかないといけないな、と」(撮影/蜷川実花、strategist of photography/鈴木心)
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AERA9月6号の表紙を飾った林遣都さん
AERA9月6号の表紙を飾った林遣都さん

 9月3日開幕の舞台「友達」に出演する。今作で舞台出演は7作目になる。ストイックに演じることに挑んできた。AERA 2021年9月6日号から。

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――9月開幕の安部公房原作の舞台「友達」は、主人公の男の家が突然、9人の家族に占拠され、どんどん「家族の論理」にのみ込まれていく、という物語だ。男を追い詰める長男を演じる。

 安部公房さんの本は難解ですし、どういう解釈で何を感じればいいのか、読み手が試されている感覚になります。台本は、根底にある不条理劇の陰湿な空気は変わらないのですが、ユーモアが加わっていて、より幅広い層の方が楽しめるんじゃないかと思います。

 作品の内容も、現代に通じる、と感じます。生きていて大変で、思うようにいかないことばかりなのは、いつの時代もそうですよね。そういうことはこの作品でも大きく描かれています。

■生きている一番の喜び

――上演台本・演出は「きれいのくに」(NHK)の脚本などで注目の新星、加藤拓也だ。

 加藤さんのお名前は、ここ数年、いろいろな方面から伺うことが増えました。以前舞台を見に行かせていただいたときも、「この人は一体何者なんだ」と思いました。演出も想像がつかないですし、僕自身、とても楽しみにしています。こんなワクワク感はなかなかないです。

 芝居をする上での気持ちの持ちようやアプローチは、映像も舞台も大きくは変わらないですが、舞台のよさは、突き詰めていく時間がたくさんあるところだと思います。

 映画も舞台も、ドラマも、全部好きで、僕。夢中になれるんです。それで誰かが喜んでくれる瞬間が、生きている一番の喜びだったりして。中でも舞台は、お客さんの一人一人の表情は見えないですが、高揚感やカーテンコールの後の反応を感じられるのが、うれしいです。

――2016年以降、コンスタントに舞台に立ち、本作が7作目。休憩中も共演者と演技の話をしたり、台本を読んだりと、研究に余念がない。

 稽古場は吸収の場です。何度かシス・カンパニーさんでやらせていただいていますが、いろいろな先輩と共演できて、毎回得るものが大きいです。お芝居の発想だったり、表現だったり、本当にお芝居と向き合えているな、という感覚で充実します。

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