コロナ禍以前から、こうした息苦しさを訴えないケースはあったのだろうか。

「従来、さまざまな菌によって肺炎を起こした人は、血中の酸素濃度が下がると、呼吸がはぁはぁして苦しそうにする人が多かったのです。なのに、苦しそうにしない人がいるというのは、新型コロナが出てきてから見られるようなってきました」(同)

 9月1日、生労働省に助言する専門家組織「アドバイザリーボード」では、東京都の新規感染者数が減少に転じているものの、「入院者数と重症者数は共に過去最高の水準」とし、全国各地においても「災害時の状況に近い局面が継続している」と報告された。まだ予断の許さない状況だ。

「首都圏の新規感染者はピークアウトした様相にありますが、お盆明けに少し人流が増え、その影響が10日後に現れる可能性が懸念されています。新規感染者数が減ったからといって、まだまだ自宅療養者が必要なタイミングで入院できる状況まで改善されていません」(同)

 医療機関が余裕をもって患者を受け入れられる体制になるのは、まだ先のようだ。(AERA dot.編集部 岩下明日香)

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