WANIMAご本人がたがラジオで語られていたところによると、「Chopped Grill Chicken」の曲名はピザの具材名が由来とのことです。そこでピザ店のメニュー表をざっと見てみると、チョップドのグリルチキンこそ見つかりませんでしたがグリルチキンピザというのは出しているお店がたくさんありました。シュレディッドチーズならぬシュレッドチーズ(shredded cheese)や、スライストハムならぬスライスハム(sliced ham)と同じく、「グリルチキン」も動詞の原形がカタカナ表記として定着しているといえそうです。

 ただ問題は、「グリル’ド’チキン」のほうも無視できない程度に認知されているという事実です。“グリルチキン”とグーグル検索するとヒットする件数は約2千万件、いっぽうの“グリルドチキン”は約 10万5千件です。ですから「グリルチキン」のほうが圧倒的に一般的なのですが、“シュレディッドチーズ”の検索ヒット件数は約60件、“スライストハム”に至ってはたったの1件であることを考えると、果たして約10万5千の支持者がいる「グリルド」表記を却下していいものかと悩んでしまうのです。

 そういえばグリルチキンなる食べ物は、grillと銘打たれている割には焼き目がついていないことが多い。もしかしてグリルチキンとgrilled chickenはまったく別の食べ物じゃないのか、サラダチキンやタンドリーチキンやBUMP OF CHICKENと同じくらい全然関係がないから、グリルとグリルドで表記を分けているんじゃないか──という考えが、某コンビニの「グリルチキン」をかじっていると浮かんできます。

 めんどくさいなこいつ、グリルだろうがグリルドだろうがどっちでもいいじゃないか、と思われるかたもいるでしょう。わたしもできればこんなめんどくさいことは考えずに生きていきたいのですが、性格上、そして職業上、看過せずにはいられない理由があります。

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