その後、無事に退院はできたけど、やっぱり体力はかなり落ちていた。外に出て、少しウォーキングするだけで、すぐに疲れてしまっていたからね。試合の日程がどんどん近づいてきていたから、焦る気持ちはあったけど、無理はしないように、ウォーキングの距離を少しずつ伸ばしたりして、ジム通いも再開。何とか、試合を迎えることができた。自分でいうことじゃないかもしれないけど、今回はけっこう頑張ったよ(笑)。ボクは元々プロレス好きだから、神聖なリングに上がるからには、しょっぱい試合はみせられないからね。大仁田や一緒に戦ってくれるほかのレスラーの方々にも失礼だし。
それに、プロレスラーと互角に戦っているボクのかっこいい姿を多くの人に見せれば、新たな女性ファンを獲得できるかもしれないっていう狙いもあったからね。やっぱり女性って、強い男性に惹かれる人は多いでしょ?だから、今回の試合は「婚活」の一種だと思って頑張ったっていう側面も正直ある(笑)。「そんなことのためにプロレスを利用するな!」って怒られちゃいそうだけど、こんなに痛くて、怖い試合に出場するんだから、何かしらボクだって得したっていいでしょ? ただでさえ、コロナのせいで、女性と出会う機会も少なくなっているんだから!
試合の結果は、ボクが電流爆破バットで殴られて、フォール負けを食らっちゃったけど、「クロちゃん、強くてかっこいいな」って思ってくれた女性は多かったはず。「婚活」に関しては、かなりプラスになったんじゃないかなー。
ただ、試合後は、大仁田が「お前はレスラーの素質がある」とかって、またしつこく色々誘ってきた。「なんかイヤな展開だな」と不安になりつつも、頑張って抵抗していたんだけど、マネジャーがまた間に入ってきて、話が勝手に進んで、結局「クロニタ軍団」っていうプロレスチームを結成させられちゃった。なんで、いつもこうなるんだろ(笑)。
まさか自分が、プロレス軍団を結成することになるとは夢にも思わなかったよ。人生、何が起こるかわからないね。軍団を結成したからには、何かしらのベルトがとれるように頑張るしん!
(構成/AERA dot.編集部・岡本直也)