記者団の取材に応じる石破茂元自民党幹事長/8月23日、国会内(c)朝日新聞社
記者団の取材に応じる石破茂元自民党幹事長/8月23日、国会内(c)朝日新聞社
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 自民党総裁選で動向が注目されるキーマンの一人、石破茂氏(64)。 5度目の出馬については「白紙」だと繰り返す、その胸中を聞いた。

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──これまでに4回、総裁選に出馬し、その都度、政策も主張してきました。4度敗れましたが、今回また立とうと考えているのはなぜですか。  

 もし立候補するとすれば、それは野党であった時の自民党、その時の思いをもう一回取り戻すためです。

──2009年の衆院選で、自民党は300あった議席を119にまで減らし惨敗、野党に転落しました。

 野党時代の自民党総裁は、谷垣禎一さんでした。その時に我々は、何でこんなことになったんだと徹底的に議論をし、翌年、新しい綱領をつくりました。そこではわが党の在り方として、野党だろうと反対勢力だろうと、全ての人に真摯に向き合い、ごまかしでなく真実を語り決断しなければいけないと定めました。

 もう一つ、政策をつくるに当たり、全ての人に公平・公正でなければいけないとしました。その新綱領の精神にもう一度、立ち戻らなければだめなんです。

──ということは、12年以降の「安倍・菅政権」の約9年間で、その精神が失われたままだということでしょうか。

 安倍政治はここが良くなかった、菅政治のここが良くなかったと言ってみても始まらない。もう一度野党だった時の精神に立ち返ろうということです。

──しかし、安倍・菅政権では、森友学園や加計学園の問題、桜を見る会などが起きても自らで問題を解決する自浄作用が働かなくなった印象を受けます。

 それはすごく感じています。おかしいことはおかしいといえない空気が出てきてしまったと。その空気ごと変えないといけない。

──つまり今回、誰が総理になっても「看板の掛け替えではいけない」ということでしょうか。

 その通りです。そのためには、自民党が変わらなければいけないことははっきりしています。そうでないと、表紙の書き換えで終わってしまう。

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野村昌二

野村昌二

ニュース週刊誌『AERA』記者。格差、貧困、マイノリティの問題を中心に、ときどきサブカルなども書いています。著書に『ぼくたちクルド人』。大切にしたのは、人が幸せに生きる権利。

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