![AERA2022年11月28日号より](https://aeradot.ismcdn.jp/mwimgs/a/3/836mw/img_a3cfcf56d31984047ecd707f2c62514664474.jpg)
共和党が過半数を取った下院では、「トランプ・チルドレン」が以前よりも増えている。英紙ガーディアンはこう警鐘を鳴らす。
「昨年1月6日に、角をつけた、民兵風のクズのようなトランプのミニ版たちは、連邦議会議事堂を(襲撃したものの)占領することはできなかった。しかし、来年1月3日に宣誓した下院議員らが就任すると、トランプの一撃は警察のバリアーを越えて新しい段階に達する」
トランプ氏が推薦した議員らに電話などで連絡を取りさえすれば、議事堂の建物の中で混乱を引き起こすことが簡単になるという懸念だ。
「下院こそが、トランプの金づちだ」
とガーディアンは指摘する。
共和党は、もうトランプ氏から「逃れる」ことはできない。トランプ氏が失脚したとしても、「トランプ党」化が進んでいくのは確実だ。今後も選挙結果を否定し、陰謀論を振り回し、民主党や弱者を攻撃していく傾向も進む。24年大統領選挙に影を落とすのも必至だ。
■一枚岩ではない民主党
トランプ氏の一撃に応じる民主党も強固な一枚岩ではない。下院議員で自らを「民主社会主義者」と呼ぶ人気のアレクサンドリア・オカシオコルテス氏(ニューヨーク州選出)は選挙直後から、穏健派の主導部をツイッターなどで激しく批判している。一方の穏健派議員は、「同氏の発言が党の分断を呼ぶ」として応酬する有り様だ。
今回の中間選挙は、歴史に残る選挙と言えそうだ。米国が常に変貌(へんぼう)していることを見せつけた。その変化を予想ができないことも示した。
トランプ氏の出馬表明をきっかけに、米国は急速に24年大統領選挙へと動き始めている。(ジャーナリスト・津山恵子=ニューヨーク)
※AERA 2022年11月28日号より抜粋
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