「野田氏は自民党の幹事長代行で、大臣も何度か経験している。与党の動きもわかっている。フランクで話しやすい人柄で、官僚たちにも野田ファンは多いのです。軸が見えないところがあるけれども、理想や理念だけでは政治は動かせないから、官僚のアイデアを入れながら、どのように政治主導していくか。野田氏くらいの女性のベテランが一番いいのだろうなとは思います」(望月記者)

 人柄と政治手腕はある程度評価されている野田氏。ただ、能力や適性があるからといって、総裁選に出られるわけではない。今、野田氏の足を引っ張るのが夫の疑惑だ。出馬も難しいという声も漏れる。

「野田氏イコール夫ではないわけで……。たとえば、夫婦別姓が進んでいるフランスならば、夫がどうであろうが妻は別人格ととらえられるでしょう。個が確立して、認められている社会ならば、野田氏の夫の件も切り離して考えられると思いますが、日本は夫婦が一体に見られてしまう。男性総裁候補者で妻に何か懸念点があるという逆バージョンだったら、ここまで焦点になるかは疑問です。あくまでも、政治家の世界においてですが、日本で生き残るには小池百合子都知事のように独身を貫くしかないのかもしれません」(望月記者)

 背後に安倍氏が見え隠れする高市氏、脛に傷を抱えているような野田氏だが、中島さんは高市総理も野田総理もあり得ないと話す。

「高市さんも野田さんも総理総裁にはならないと思います。高市さんは安倍元首相の極端な思想をそっくり持っている人物なので、“名誉男性”的なポジションなのではないでしょうか。たとえると、性別が女性の“おっさん”。野田さんは自民党内ではリベラルを標榜してきた人ですが、“女性はうそをつく”発言の杉田水脈議員の辞職を求める署名を受け取らなかった。大事なところで腰の引けた態度しかとれなかったのが残念です」(中島さん)

 最後に、高市氏や野田氏以外で、総理の器があると思える女性議員の名前を挙げてもらった。

「女性首相第1号に推すなら、福島瑞穂さん。野党が合意した政策はしっかりしたもので、福島さんなら実現してくれると思うし、この10年の不正をただし、まっとうな政治をやってくれると思います」(中島さん)

暮らしとモノ班 for promotion
2024年の『このミス』大賞作品は?あの映像化人気シリーズも受賞作品って知ってた?
次のページ
若手や女性企業家に一目置かれていた女性議員とは?