総裁選に出馬表明した高市氏と模索する野田氏(c)朝日新聞社
総裁選に出馬表明した高市氏と模索する野田氏(c)朝日新聞社
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 ポスト菅をめぐる自民党総裁選(17日告示、29日投開票)は、今後予想される女性の戦いにも注目が集まっている。岸田文雄前政調会長に続き、高市早苗前総務相が正式に出馬表明し、野田聖子幹事長代行は推薦人確保に奔走中と報じられている。「日本初の女性首相誕生か」と前のめりに報じられるが、ちょっと待って、高市総理? 野田総理? 女の総裁選バトルにモノ申す!

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「憧れの人は元英首相のサッチャー」

 高市氏は野心を隠すことなく、このように明言してきた。いま総理の椅子に最も近づいている女性かもしれない。

 これまで、自民党の総裁選に出馬した女性はただ一人。小池百合子現東京都知事が2008年に立候補した。そもそも立候補には、国会議員の20人の推薦が必要で、女性にとっては高いハードルだった。今回、高市氏は早々に推薦人確保のメドがたち、世間の人気が高いといわれる河野太郎氏よりも早く正式に立候補を表明。野田氏も意欲を示していることから、注目を浴びている。

 東京新聞の望月衣塑子記者が解説する。

「自民党の若手議員を中心に“菅さんじゃ選挙は勝てない”という空気があった。菅降ろしと連動して“顔”を選ぶにあたって、今の時代、女性を打ち出した方がいいという流れはあった」

 それでいち早く出てきたのが高市氏だったので、望月記者は驚いたという。

「ビックリしたというよりは、がっかりです。同じ女性として応援は……。高市氏は女性の代弁者かというと、女性のお面をかぶった古い男性といいますか、男尊女卑ともとらえられる発言が目立ちますから」

 似たような感想をもつ女性は少なくない。直木賞作家の中島京子さんも指摘する。

「あからさまに男尊女卑的な態度や政策を取り続ける自民党ですら、体面上は、女性候補を出さなければならない時代になったということでしょう。しかし、総裁選は所詮、自民党内の派閥争いでしかない。茶番に近い候補者乱立が予想される中、ことさら“女性”だからと出馬に意味があるように捉えられること自体に違和感を覚えます」

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