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 中田翔を無償トレードで巨人に放出した日本ハムが「台風の目」になっている。中田が退団した後の成績を見ると、8勝6敗6分。戦力ダウンが懸念されたが、この逆境でチームが一致団結しているように見える。11日のソフトバンク戦(札幌ドーム)では初回に好投手・石川柊太に集中打を浴びせるなど球団タイ記録の1イニング11得点をマーク。2回も5得点を追加するなど16安打17得点の猛攻で圧勝した。CS進出はまだまだ厳しい状況だが、5位・西武に2ゲーム差まで接近。スポーツ紙記者は日本ハムの強さについて、こう分析する。

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「野村佑希、高濱祐仁と成長著しい若手の主砲コンビがクリーンアップを担い、侍ジャパンで東京五輪の金メダルに獲得した近藤健介がチャンスメーク、走者を還す役割を担っている。浅間大基が今年は外野でレギュラーの座をつかみましたが、度重なる故障でなかなか芽が出なかっただけで打撃センスは光るものがあった。確かに中田は昨年まで不動の4番を担っていましたが、いなくても十分に戦える陣容です。チームの顔である西川遥輝も結果を残せなければスタメンを外されるし、レギュラーが保証されているわけではない。実際に主力だった大田泰示、渡辺諒はファーム暮らしです。昨年までは打てなくてもレギュラーが固定されて閉塞感が漂っていたが、今は各ポジションで激しいレギュラー争いが繰り広げられている。ベンチの雰囲気も活気で満ちあふれているし、若手が伸び伸びプレーしている。勢いを感じますね」

 前半戦最下位に低迷していた日本ハムで問題視されていたのが、「雰囲気の悪さ」だった。4月に球団公式ツイッターで公開した試合前の円陣では父親がコンゴ出身の高卒3年目・万波中正が「全員で勝ちに行きましょう!」と声出しした直後、「日サロ行き過ぎだろ、おまえ」と万波の肌の色をやゆするような声が入っていた。この動画が問題視されて批判の声が殺到。日本ハムは8月18日に「誤解を招く可能性がある」と動画ツイートを削除。31日に川村浩二球団社長が謝罪文を発表した。

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主力選手たちの「いじり」減った