コロナ禍の時代、どの大学を選んで何を学ぶべきか、迷ってしまうことも多いはずだ。どうやって大学を選び、将来の仕事を考えたらいいのか。大学選びに詳しい専門家は、今こそ「やりたいことをやろう」とアドバイスする。高校生、受験生の大学選びついてさまざまな角度から紹介した、AERAムック『就職力で選ぶ大学2022』(朝日新聞出版)から抜粋して紹介する。
【ランキング】東大生の就職先トップ20、1位になった企業は?
* * *
■コロナ後の就職を見据えた大学選びのポイント
新型コロナウイルスの感染拡大は、社会に閉塞感をもたらし、しばらく収まる気配がない。これからの時代、大学の選び方についてどう考えたらいいのだろうか。
コロナ禍が大学選びに与えた影響について、全国の高校で進路学習の支援を行い高校生の悩みに向き合い続ける倉部史記さんはこう言う。
「高校の進路指導の先生や高校生の皆さんとお話をすると、何を学びたいかよりも、就職に強いかどうかで大学を選ぶ傾向が強まっていると感じます。『手堅く就職できるところはどこですか』と聞かれることも多いですね」
先行きが不透明な今、人気が上がっている学部は、専門職を養成する分野だという。
「コロナで世界中の医療現場が疲弊しているという報道もあり、医療系の人気は下がるかとも思いましたが、実際は志望者が増えました。人々を救いたいという思いの人もいますが、就職に苦労してほしくないからという親御さんの意向も強そうです」(倉部さん)
■社会情勢よりも自分の興味関心を
コロナ禍は、首都圏と地方の大学の人気傾向も一変させた。現役学生の本音を紹介するユニークな『大学図鑑!』(ダイヤモンド社)を発行する、オバタカズユキさんが説明する。
「首都圏の大学に若者が集中する状況を変えようと、文部科学省は2016年に私立大学の定員厳格化を打ち出しました。この影響もあり、ここ数年は徐々に地元志向が強まっていました。この流れが、コロナ禍で一気に加速したのです。いま、地方の国公立大学には、早慶に楽勝で受かるようなハイレベルの学生が結構入学していると聞きます」