AERA 2021年9月20日号より
AERA 2021年9月20日号より
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 自宅療養者が増え続ける今、もしものときに備えておきたい。水や食料品などの備蓄をイメージしがちだが、病院や保健所など事前に確認しておくべきことも大切だ。「自宅療養」を特集したAERA 2021年9月20日号の記事を紹介。

【図】備蓄や療養生活に必要な15項目はこちら

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 モノ以外に「決めておくこと」や「知っておくべきこと」を確認しておくのも重要だ。例えば家族で誰が感染したら、誰が家事をやるか。その分担をイメージして話し合っておく。

 自宅療養者へのオンライン診療などを実施している「ロコクリニック中目黒」共同代表医師の瀬田宏哉さんはこう話す。

「そこは症状の重い人は休み、家族の中で感染していない人、症状の軽い人が協力して家事などを分散してやる。つまり元気な人がやるしかない状況になるのが現実です。子どもが感染しても、一人にさせておきにくい。家庭内の感染はしょうがない部分もでてきています。家庭の外に感染を広げないのも、大きなポイントになると思います」

家族の役割分担については、こんな可能性もあり得ると話すのは、東京医療保健大学大学院の菅原えりさ教授(感染制御学)だ。

「陽性者が比較的軽症のまま10日間の隔離期間が過ぎ、元気になったとします。陽性者の世話をした家族はあと14日間隔離ですが、理屈上、この陽性者は『フリー』になり、買い物など濃厚接触者のケアができる。そんなことも知っておくといいかもしれません」

 もし家族で陽性者が出たら、どの部屋に隔離するのがベストか。これについても、事前に決めておけば事はスムーズに運ぶ。日本在宅医療連合学会代表理事の石垣泰則さんはこう話す。

「たとえば家の間取り図を描いてみて、隔離する人の動線も想定して『トイレに近いからこの部屋かな』『消毒液や使い捨て手袋はここに置こう』など色分けをしてみる。コロナ対策について家族で話し合う、いい機会にもなると思います」

家族が感染すれば、自宅内でも離ればなれになる。家庭での感染対策も欠かせない(撮影/写真部・辻菜々子)
家族が感染すれば、自宅内でも離ればなれになる。家庭での感染対策も欠かせない(撮影/写真部・辻菜々子)

■「頼れる先」を探そう

 いざ自宅療養になったときに「頼るべき先」はどこか。石垣さんは、それをいまからきちんと知っておくと、慌てずにすむかもしれないとも指摘する。

「自分の地域の保健所はもちろんですが、保健所からの支援依頼を受けて24時間対応の医療相談や電話などによる健康観察、食料品の配送をしてくれる『自宅療養者フォローアップセンター』もあります。また、気持ちがつらくなったときは『こころといのちのほっとライン』などの相談窓口もある。こういったサービスの一覧は地域の行政機関で用意されていることが多いので、情報を集約し、手元に置いておくことが重要です」

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