自宅療養になると家から出られない生活が続く。今や、いつ感染してもおかしくない状況。事前に備えておけば、少しは安心だ(撮影/写真部・高橋奈緒)
自宅療養になると家から出られない生活が続く。今や、いつ感染してもおかしくない状況。事前に備えておけば、少しは安心だ(撮影/写真部・高橋奈緒)

 もしも自宅療養になったとき、欠かせないのは市販薬と食料品だ。自分に適したものをどう選べばいいのか。AERA 2021年9月20日号から。

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 薬と食料品の選び方について、具体的に見ていこう。

 まずは薬から。国際医療福祉大学熱海病院の〆谷直人・臨床検査科検査部長は、こう語る。

「9月第1週の時点では、軽症・中等症患者の治療には抗ウイルス薬のレムデシビル、デキサメタゾン、バリシチニブ、抗体カクテル療法などいくつかの治療法が出ています。抗体カクテル療法以外は入院しないと受けられませんし、抗体カクテルにしても外来投与になります」

 自宅療養となった人は、病院にも通えない。だから、対症療法で症状を緩和するしかないのだ。ただし軽症の80%は対症療法で良くなる。そのため〆谷さんは「過度の心配は不要」という。つらい時は、症状に応じた市販薬を飲めば良いと話す。

 市販薬なら消炎鎮痛薬、抗ヒスタミン薬、咳(せき)止めの成分が含まれている総合感冒薬を購入しておくといい。それらは発熱、頭痛、咽頭(いんとう)痛に効果がある。

「ただし、咳止め成分として有効性が認められているコデイン類を含む薬は、副作用として呼吸抑制などの危険性が指摘されています。12歳未満の小児ではそのリスクが高くなるため、使用できません」(〆谷さん)

 コデイン類とは、コデインリン酸塩水和物やジヒドロコデインリン酸塩などの成分。新型コロナウイルスの変異株の流行で、子どもの感染・発症も増えている。市販薬を事前に購入しておく際には、成分に注意しておこう。

 ただし、コデイン類は古くからあり、呼吸抑制の副作用はまれだ。それ以外の副作用も少ないゆえに市販薬にも含まれている。12歳以上が指示された量をしっかり守って服用する分には、問題ない。

 次は食料品。過度な備蓄は必要ないが、「しばらく籠城(ろうじょう)していても大丈夫」という状況をつくっておけば、ストレスも軽くできる。

 在宅医療に特化したクリニック「あけぼの診療所」院長の下山祐人さんが解説する。

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野村昌二

野村昌二

ニュース週刊誌『AERA』記者。格差、貧困、マイノリティの問題を中心に、ときどきサブカルなども書いています。著書に『ぼくたちクルド人』。大切にしたのは、人が幸せに生きる権利。

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小長光哲郎

小長光哲郎

ライター/AERA編集部 1966年、福岡県北九州市生まれ。月刊誌などの編集者を経て、2019年よりAERA編集部

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