「自治体から自宅療養の方への食料品の配食サービスがあります。しかし体調が悪い時ほど、自分の好みのものを食べたり飲んだりしたいものです」

■水にもいろんな種類

 在宅診療の際、熱中症対策で水分補給のために「(糖分や塩分を適度に含み体内に吸収しやすい)スポーツ飲料水を適宜飲んでくださいね」と伝えても、そんなに飲んでくれない。ところがある人は麦茶ならたくさん飲み、ある人は白湯(さゆ)ならたくさん飲めるのだという。水ひとつ取っても「ぬるま湯」「湯冷まし」「常温」「冷水」など、人によって「抵抗なくたくさん飲めるもの」が異なるのだ。

 食料品は保存が利くレトルトやインスタントが便利だが、そればかりだと飽きてくる。自治体の配食サービスもそうした食品が多く含まれている。

「好物ばかりで助かった」とする人がいる一方、「カレーや焼きそば、ラーメンなど食べ慣れないインスタント食品が多く、つらかった」(東京都在住の40代女性)、「親子で感染し、小さな子どもが食べられるものがなくて困った」(東京都在住の30代女性)という人もいる。

 配食サービスは届くまで時間がかかることが多く、食品アレルギーがある人は、やはり自分で準備しなければならない。

「無症状、軽症、中等症と、どのような状態になるかは予測できません。発熱などで食欲がない時、寝込んだ時、倦怠(けんたい)感で何もする気がない時、無症状で食欲はある時など、さまざまなシチュエーションを想定して『自分なら』『家族なら』食べたいと思えるものを十分量準備しておきましょう」(下山さん)

(編集部・小長光哲郎、野村昌二、ライター・羽根田真智)

AERA 2021年9月20日号より抜粋

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小長光哲郎

小長光哲郎

ライター/AERA編集部 1966年、福岡県北九州市生まれ。月刊誌などの編集者を経て、2019年よりAERA編集部

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野村昌二

野村昌二

ニュース週刊誌『AERA』記者。格差、貧困、マイノリティの問題を中心に、ときどきサブカルなども書いています。著書に『ぼくたちクルド人』。大切にしたのは、人が幸せに生きる権利。

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