家族が感染すれば、自宅内でも離ればなれになる。家庭での感染対策も欠かせない(撮影/写真部・辻菜々子)
家族が感染すれば、自宅内でも離ればなれになる。家庭での感染対策も欠かせない(撮影/写真部・辻菜々子)
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 自宅療養と一口に言っても、年齢や家族構成などによってその事情は異なる。20~50代のひとり人暮らし場合を見てみよう。AERA 2021年9月20日号の記事から紹介する。

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 家族構成別の自宅療養のポイントを取り上げよう。ひとり暮らし。20~50代、基礎疾患がないケースで考えると──。

「高熱や強い倦怠感が出ると、あまり動けなくなります。飲料水、チョコレート、ゼリー状の栄養補助食品、体温計、タオル、汗をかいた時の着替えなど、必要なものはすべて枕元に置いておき、すぐに取れるようにしておきます」(国際医療福祉大学熱海病院の〆谷直人・臨床検査科検査部長)

 熱はウイルスを撃退するための体の防御反応だ。熱が上がり切るまでは、体の中で熱を外に逃がさないように働くため、寒気がする。この時は、布団をかけて温かくする。熱が上がり切ると、今度は手足が熱くなって、汗をかき始める。布団を薄手のものにし、体を動かせるなら汗で体を冷やさないよう、ぬれた服をこまめに着替える。

 前でボタンを留めるパジャマは脱ぎ着に手間がかかる。高熱で体が思うように動かない状況ではなおさらだ。頭からスポッとかぶれるTシャツがお薦め。Tシャツや下着を手が届く場所に何枚も積み重ねておこう。体の下にバスタオルを敷いておくと、汗でぐっしょりぬれても、バスタオルを取り替えればいいので、不快感が減る。

「高熱の時は、おでこよりも、首の後ろ、両わきの下、ももの付け根などの太い血管が通っているところを冷やすと、効率よく冷えて体が楽になります」(〆谷さん)

 ひとり暮らしでは、ぬるくなったタオルの交換はしづらい。氷を入れた袋も、氷が溶ければ当然ながら水になり、それを枕元に置いておくと邪魔になる。保冷剤をタオルでくるめば使い勝手がいい。布団がぬれないよう、使い終わった保冷剤を放り込んでおける洗面器のようなものを置いておくと、なおいい。

■SNSが心の支えに

「家族や友人と、日々連絡を取り合うようにしてください」

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