ほんの一例だが、ある回のこと。収録中、親子の絆の話になった。

 僕は鮭の皮が好きなのだが(酒のアテに最高)、それは幼き頃、鮭の皮を酒のアテで食べていた父の影響で、さらに僕が妻や息子の残した鮭の皮を晩酌で食べてたら、息子も好きになり、親子三代、鮭の皮好きが受け継がれた、というなんとも地味なエピソードを僕はその回で喋った。

 すると、その次の回の収録の時、「今日の収録とは一切関係ないのですが」と付箋が貼られた資料が数枚、僕の楽屋に置いてある。

 なんと、あるスタッフが「鮭の皮が好きだった武将たち」を調べ上げ、伝承や逸話なども盛り込み、レポートのような形で僕に報告してくれたのだ。歴史が好きにもほどがある。しかしその「好き」という熱が、この番組を支えていると改めて感じた次第。

 わたた。そんなつもりはなかったのに、番組に関わる各人に感謝を述べたりなんかして、何やら授賞式のスピーチみたいになってしまった。てか、そうなんす。7/14に放送した「戦争とエンターテインメント」の回が、7月度の月間ギャラクシー賞を頂いたようです。皆の熱が報われ感謝。そしてその皆におんぶに抱っこの頼りない所長から、番組をご覧頂いてる皆様に深い感謝を。

 いや~もう、へヴィームーンという近年稀にみる低クオリティー駄洒落を放ったのが遠い昔のようだが、重い月、じゃない、思いつきで凌ぐ当コラムも、番組同様に、どうぞお引き立てを。

■佐藤二朗(さとう・じろう)/1969年、愛知県生まれ。俳優、脚本家。ドラマ「勇者ヨシヒコ」シリーズの仏役や「幼獣マメシバ」シリーズで芝二郎役など個性的な役で人気を集める。ツイッターの投稿をまとめた著書『のれんをくぐると、佐藤二朗』(山下書店)のほか、96年に旗揚げした演劇ユニット「ちからわざ」では脚本・出演を手がける。原作・脚本・監督の映画「はるヲうるひと」(主演・山田孝之)が全国公開中。

暮らしとモノ班 for promotion
節電×暖房どれがいい?電気代を安く抑えて温めるコツ