女性皇族たちに、体裁のとれた結婚(釣り合い婚)を強いてきたのは、天皇制というシステムとともに、私たち国民であった。私たちは、いつまで女性皇族の自由、彼女たちのキャリアを拘束し続けるのだろうか。
若者は変わり、社会も変わる。多様性やさまざまな生き方は容認されるようになった。
その映し鏡として皇室も変わっていくはずだ。非婚を宣言する皇族、同性婚を選択する皇族……。これから私たちは、そんなさまざまな皇族の姿を容認し、さらに豊かな社会を築いていかねばならない。
小室さんを嫌いな人もいるだろう。周囲を利用して、のし上がっていく野心家だと見る人もいる。母親が嫌だという人もいるだろう。
だが、彼には感心する。フォーダム大在学中に書いた論文「社会的企業のためのクラウドファンド法改正の可能性への課題と示唆」は、ニューヨーク州弁護士会の学生論文コンテスト(ビジネス法部門)で堂々の2位を獲得した。異国の地で勉学に集中してなし遂げた成果。簡単にできることではない。
バッシングにめげず、日本にいる眞子さまへの心遣いも忘れない。二人の将来も考え、就職し、生活設計を立てる──。立派な青年ではないか。眞子さまが惹かれるのもそこだろう。
小室さんへの不寛容は、社会全体の不寛容を意味する。私は、眞子さまの選んだ小室さんを認めてあげたい。眞子さまを喜んでニューヨークに送り出してあげたい。
これから佳子さま、悠仁さまも続く。21世紀の皇室を真に考えるなら、お二人へのバッシング、もうやめませんか。(成城大学教授・森暢平)
※AERA 2021年10月4日号

