新型コロナウイルス感染を恐れて「自主休校」する子どもと、以前から不登校の子とで学校の対応が分かれるケースが見られるという。AERA 2021年10月4日号はその現状を取材した。

熊本市内の小中学校では9月の第1、2週は分散登校を実施。3日に2日はオンライン授業をした。現在も対面授業のライブ配信を続ける(写真:熊本市教育委員会提供)
熊本市内の小中学校では9月の第1、2週は分散登校を実施。3日に2日はオンライン授業をした。現在も対面授業のライブ配信を続ける(写真:熊本市教育委員会提供)
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 不登校の子どもたちへの対応も学校によって違う。

 小学4年の娘が3年前から不登校の女性(44)は9月中旬にツイッターで、「不登校児にはオンライン授業を提供してくれない」という書き込みを見かけた。そのときは「娘の学校はまだオンライン授業さえ始まっていない」と思ったが、その直後、自主休校の児童向けに授業のオンライン配信が始まっていたことを知った。担任に連絡すると、「タブレット貸与は不登校児は対象外。外部の機器からは個人情報の関係で授業は見られない」と言われた。

「担任とは信頼関係が築けていたと思っていたのに、見捨てられたのかとショックだった。娘にどう説明したらいいのか」

 小中高校生の保護者らでつくる「全国学校ハラスメント被害者連絡会」(東京都)は、オンライン学習をめぐって一部の学校が特定の子どもに差別的対応をしていることについて9月末までネットアンケートを実施し、実態調査を進めている。同会共同代表の郡司真子さんはこう指摘する。

「排除のタイプは2種類あって、一つはタブレットを配布されないケース。もう一つは、通常級に通う軽度発達障害などで手のかかるお子さんが『タブレットを配布したので学校にこないでください』と言われたケースも。排除された子どもは『自分はダメなんだ』と思い、自死に追い込まれてしまう場合もあり、大きな問題です」

登校再開につながる

 不登校の子どもをオンライン授業に参加させない理由は「ますます登校しなくなるから」といったものだという。一方で、オンライン授業が登校へとつながったというデータもある。

 青森市では一斉休校中だった昨年4~5月にかけて市内全校でオンライン授業を実施したところ、中学では不登校の生徒の74.5%が参加し、このうち92.5%が登校再開の5月25日以降も登校した。同市教育委員会の担当者は言う。

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