「企業がスポーツチームを持つことの意義も変わって来ている。広告効果を兼ねて企業名の露出だけすれば良いという時代ではない。チャレンジャーズを通じて何を還元できるか、感じてもらえるかが重要になる。そのためにチャレンジャーズは尼崎市を大事にしたい。昨年作ったチームソングの歌詞にもこだわった。ハナミズキ(尼崎市の市木)やブルー、ホワイト(チームカラー)などを入れて、初めて聞いた人でもすぐ口ずさめるようにしたかった。チームを身近に感じていつかは阪神の『六甲おろし』みたいに尼崎界隈でお酒を飲みながら歌って欲しい」(チャレンジャーズ尼崎プロジェクトマネージャー川口陽生氏)
関係者の誰もが認識しているように、今は阪神の足元に遠く及ばない。尼崎市民に受け入れられ地域に溶け込むために地道な活動から歩み始めている。包括提携協定締結直後の25日には公式チームソング『挑戦者よ』を発表。チーム、そして尼崎への思いをストレートな形で曲に乗せた。またチャレンジャーズ選手がラッピングされた飲料自動販売機の設置を市内で進めているが、このシートデザイン・印刷を地元企業に発注するなど少しずつだが地域への還元も始まっている。
「いやぁそれはうれしい、尼崎市として助かりますね」(稲村和美・尼崎市長)
Xリーグ開幕前日の8月27日、チャレンジャーズ代表団が市長を表敬訪問した。鍜次茂GM、司令塔であるQBギャレット・サフロン、そして川口氏の3名が市長と対面し今後の健闘を誓った。自動販売機の件を伝えられると、市長は満面の笑みで喜んでくれるとともにチームへの大きな期待を口にした。
「コロナの対応が大変だと思いますけど、まずはゲームができることが大事ですね。リーグ、チームを継続するのには観客が集まってお金を払わないといけない。高校野球の甲子園大会も関係者だけしか入場できず寂しい限りですし経営的にも厳しいそうです。コロナで気持ちがしんどくなっている今こそスポーツや文化事業が大事。そしてスポーツや文化事業は社会で支えないといけない。五輪もそうでしたけど見て感動して気持ちが入る。そこに地域とのつながりがあれば愛着をさらに持って応援できる。双方にとって良いことだらけです。チャレンジャーズにはぜひとも頑張って欲しい」(稲村市長)