『ゴルゴ13』などの作品で知られる漫画家さいとう・たかをさんが、膵臓がんのため24日午前10時42分に亡くなった。84歳だった。さいとうさんの生前の遺志により、『ゴルゴ13』は今後も、さいとう・プロダクションや脚本スタッフなどが協力し連載を継続することも同時に発表された。
週刊朝日ムック『手術数でわかるいい病院2021』では、全国の病院に対して独自に調査をおこない、病院から得た回答結果をもとに、手術数の多い病院をランキングにして掲載している。また、実際の患者を想定し、その患者がたどる治療選択について、専門の医師に取材してどのような基準で判断をしていくのか解説記事を掲載している。ここでは、「膵がん手術」の解説を紹介する。
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膵がんは、がんの中でも最も治療が難しいものの一つである。初期の頃にはほとんど自覚症状がなく、進行が速いため何らかの症状が出て病院を受診したときには、すでに膵臓の周囲や肝臓など他の臓器に、がんが広がっていることが多い。
見つかった時点で手術ができるのは全体の20%~30%。しかし手術ができる場合には、効果のある化学療法を手術の前後におこなうことで、5年生存率が50%程度にまで改善する。
膵がんの治療方針を決める上で重要になるのが、進行度分類や切除可能性分類だ。ステージ0とIは切除可能、ステージIIは切除可能だが一部切除可能境界が含まれ、ステージIIIには切除可能境界と切除不能(局所進行)が含まれる。ステージIVは切除不能となる。
膵がんの主な治療方法は、手術による切除と、抗がん剤などによる化学療法や化学放射線療法である。
2019年に改定された「膵癌診療ガイドライン」では、切除可能ながんでも再発を防ぐため、手術前の化学療法が推奨されている。また手術後も、進行や肝臓などへの遠隔転移を防ぐための化学療法が必須となる。
手術ができない場合には、化学療法や化学放射線療法、症状を改善するための治療をおこなう。また近年では、手術ができないとされた患者でも化学療法や化学放射線療法が効果を上げ、手術可能となるケースも増えている。