大村「僕らはもう『M-1』にも出られないし、劇的に世の中にドーンと出るシステムには乗りにくい」(撮影/中西正男)
大村「僕らはもう『M-1』にも出られないし、劇的に世の中にドーンと出るシステムには乗りにくい」(撮影/中西正男)

大村:そこを怠ってはいない自信はありますね。

藤田:そこはあるよね。

大村:見てくれている人は見てくれているし、どセンターじゃない方を見ている人からは「子どもをダシにしてまでテレビに出たいのか」みたいな声もありますけれど、それはもうね、仕方ないと思います。その人はその側面しか知らないから。

藤田:そういう人からすると、僕は「全く何もしていない人間」になってますからね(笑)。まだ大村は「子どもをダシにして」テレビに出たりもしてますけど、僕はテレビにも出てないですからね。

でも、そういう人たちにまで、いちいち「自分たちのどセンターは漫才なので」ということを言ってまわることもないし、知ってくださっている方はいる。それは自分たちがしっかりと漫才をやっているという自信があるからこそ思えることでしょうし、ある意味の余裕が生まれるのも、その“幹”への自信があるからだと思っています。

大村:ただね、毎年いろいろな賞レースで新たな若いチャンピオンがどんどん出てきます。そのフレッシュな力に負けることなく劇場に出続ける。その部分の熾烈さみたいなものは感じています。僕らはもう「M-1」にも出られないし、何かで劇的に世の中にドーンと出るシステムには乗りにくい。でも、その分、毎回、毎回の舞台が勝負です。

「やっぱり『トータルテンボス』はウケてるなぁ」「いろいろなネタがあるなぁ」と思ってもらい続けないとダメですから。それがないと次に出る舞台がないですから。

藤田:“骨と筋肉”という意識があるんですよね。例えば「中川家」さんとか「海原やすよ・ともこ」さんは劇場にとっての“骨と筋肉”なんですよ。もしかしたら、内臓とかかもしれませんけど、要は劇場を人間と考えた時に「絶対にないとダメ」という部分です。

じゃ、僕らは劇場にとってのナニなのか。筋肉になれている部分もあるかもしれないけど、まだぜい肉の部分もあるのかなと。ぜい肉はそぎ落とされますし、そこの部分には、それこそ毎年出てくる若いチャンピオンや人気者が入ってきます。

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漫才が終わる時はどちらかが死ぬ時です