トータルテンボスの大村朋宏(左)と藤田憲右(撮影/中西正男)
トータルテンボスの大村朋宏(左)と藤田憲右(撮影/中西正男)
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「M-1グランプリ2007」での準優勝から更に腕を磨き、どの舞台でも確実に爆笑を取る漫才で、芸人仲間からも一目置かれている「トータルテンボス」。今年に入り、大村朋宏さん(46)が中学3年の晴空(はるく)くんとフジテレビ「千鳥のクセがスゴいネタGP」などで親子共演する機会も増えていますが、新たな一面を見せる一方で、藤田憲右さん(45)と語る“理想の最期”とは。(中西正男)

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藤田:11月に単独ライブをやるんですけど、新型コロナ禍が長くなって、こちらの意識もだいぶ変わりましたね。

去年はライブをやるにしても、僕の中にも警戒する気持ちが強くありました。もちろん、今でも気をつけてはいるんですけど、それでも“腹がくくれた”感じがしてるんです。万全の感染対策をして、その上でできることはやっていく。そうしないと、もう“無理”になってしまうものがどんどん増えていくなと。

大村:後ろを向いていても仕方ない。それはあると思いますね。不平不満を言ってても何にもならないし、どうやったら楽しめるか。その思いにシフトするようには考えてますね。

あと、思わぬ流れというか、息子との仕事というのも生まれましたしね。藤田と仕事ができないので家で息子と替え歌をやってみたり、藤田とやるはずの漫才を息子とネタ合わせしてみたり。そういうものが番組出演にもつながっていって、本当にコロナ禍でなければこんなことなかったでしょうしね。

基本的にはギターを弾いたりする歌系の仕事が好きなんですけど、この前はとあるドラマの主要キャストのオファーまで来まして。

吉本に連絡が来てマネージャー経由で僕に打診が来るという流れで、息子に聞いてみたら「演技は今は興味ないかな」ということで結局、辞退をさせてもらったんですけど、僕としたらすごくもったいないというか(笑)。

だけど、息子も芸能人でもないですし、本人がそうだったら仕方ないので、僕が勝手に「これはすごく大きなチャンスだぞ。オレだったら絶対にやるよ」と言っても、僕にオファーが来ているわけではないのでね、そのままお断りする流れになりました。

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コンビで笑いをガンガンやるのが基本