2021年ノーベル物理学賞に、アメリカ・プリンストン大の上席研究員、真鍋淑郎氏ら3人が選出された。コンピューターを使った地球温暖化などを予測する手法を確立したことが、授賞理由である。
【ランキング】ノーベル賞受賞者の出身大学・大学院・所属大学<全3ページ>
日本出身の研究者が自然科学系分野でノーベル賞を受賞するのは25人目となる(米国籍を含む)。真鍋氏は1931年生まれの90歳。愛媛県出身で東京大理学部、理学系大学院博士課程を修了し、アメリカに渡り今日まで研究生活を続けている。
これまでのノーベル賞学者(物理学賞、化学賞、医学生理学賞)について出身校、専任教員としての所属大学について調べてみた。
■ノーベル賞学者の出身大学(学部)
(1)京都大 8人
(2)東京大 6人
(3)名古屋大 3人
1人=北海道大、東北大、埼玉大、東京工業大、山梨大、神戸大、徳島大、長崎大
※帝国大学など旧制を含む
■ノーベル賞学者の出身大学(大学院研究科)
(1)京都大 5人
(2)東京大 4人
(3)名古屋大 3人
1人=北海道大、東京工業大、東京理科大、大阪市立大、徳島大
■ノーベル賞学者が専任教員の大学
(1)東京大 5人、京都大 5人
(3)名古屋大 3人、名城大 3人
2人=筑波大、大阪大
1人=北海道大、弘前大、北里大、芝浦工業大、総合研究大学院大、東海大、横浜薬科大、京都工芸繊維大、京都産業大、大阪市立大、岡山理科大、倉敷芸術科学大
※助教授<現在は准教授>以上で学長を含む。特任、特命、客員の教員などは含まない。東京教育大は筑波大に含めた
学部卒、大学院研究科出身、専任教員の「3冠」の京都大。その強さの理由について、前・京都大総長の山極寿一氏の発言から知ることができる。
「教授を『先生』と呼ばせない。京都大学にはこんな伝統がある。指導教授から教えを受けるのではない、超えるべき存在である。学生は教授と対等に渡り合わなければいけない。教授の学説をそのまま信じてはいけない。教授の研究領域を踏み外して、新しい領域を開拓してこそ、新しい研究が生まれるからだ」(『大学ランキング 2018』朝日新聞出版)