朝日新聞出版『大学ランキング』では94年の創刊以来、ノーベル賞学者に多く登場してもらった。江崎玲於奈、白川英樹、小柴昌俊、鈴木章、益川敏英、山中伸弥、梶田隆章の7氏である。彼らの珠玉のひとことを紹介しよう(カッコ内は『大学ランキング』の◯◯年版)。
●江崎玲於奈 「大学が学生に対して、どれくらい意欲を持たせ、能力を引き出す手助けができ、たくさんの付加価値をつけられたかのランキングがあってもいい」(1998年版)
●小柴昌俊 「科学には未知の世界を解明し、人類に新たな知識をもたらすという重要な役割があります」(2004年版)
●白川英樹 「研究者が社会還元を意識するようになることが、大学を開かれたものにするための第一歩だと思います」(2004年版)
●山中伸弥 「研究環境については、自分の持ち場が、一つのフロアで密室に近い状態よりも、いつでも声をかけられるように区切られる壁が少ないほうが理想的である。すぐにディスカッションができて、アイデアが浮かびやすいからだ」(2009年版。山中氏がノーベル賞受賞以前)
●鈴木章 「研究者養成において、大学院生などをあまり管理しないで、自由に実験などに取り組んでもらったほうがいいと考えている」(2012年版)
●益川敏英 「若い研究者に望むのは、もっと覇気を持つことだ。部屋に閉じこもるのではなく、研究テーマを仲間と朝まで語り合うほど、熱くなってほしい。そこから新しいアイデアがどんどん出てきて、夢やロマンを抱ける」(2012年版)
●梶田隆章 「ノーベル賞は、今まで存在しなかった研究、0を1にした研究が受賞の対象になる。世界中がその1を100にしてはじめて、その研究が世の中の役に立つ」(2020年版)