しゅんしゅんクリニックPさん(写真/本人提供)
しゅんしゅんクリニックPさん(写真/本人提供)

 芸人でありながら現役医師としての顔をもつ、“医者芸人”のしゅんしゅんクリニックPさん(38)。医療現場のリアルを面白く伝えるYouTube動画が好評で、チャンネル登録者数が17万人を超える人気者だ。

【写真】しゅんPさんの問診に切実すぎる“不安”を語ったのはこの芸人

 そんなしゅんPさんは、自身が所属する吉本興業のワクチン職域接種で、なんと医師として従事。大勢の芸人たちを相手に医師として問診にあたり、時にはダウンタウンの浜田雅功さんのような大物芸人と対峙することも。さながらコントのような状況だが、本人はいたって真面目。医師派遣サイトからの募集で見つけ、自主的に応募したという。いったいなぜ、志願したのか。本人に「芸人だらけのワクチン接種」を振り返ってもらった。

*  *  *

――吉本の職域接種では、どのような業務に携わったのでしょうか。

6月末と7月末、東京・新宿の吉本興業本社で行われた職域接種に、医師として参加しました。打つのは看護師さんで、僕は問診業務です。
接種した人数は1日あたり約400人ずつで、芸人と吉本の社員さんが対象です。1回目は医師2人体制だったのですが、2回目は僕1人。問診する人数が多かったので、けっこう大変でした。

――なかなかハードですね。医師として参加されたのは、どのようなきっかけが?

今回の接種は吉本から頼まれたわけではなく、登録していた医師派遣サイトから届くメルマガを眺めていて、偶然、吉本興業の職域接種を募集しているのを見つけたんです。
すでに勤務先のクリニックで高齢者のワクチン接種が始まっていたので、接種の経験はありました。なので、ある程度はお役に立てるんじゃないかと。

――芸人と医師の両立で多忙な日々だと思います。忙しさをおしてでも志願したのはどうしてでしょうか。

30代後半になってくると、「吉本や社会のために貢献したい」というような、使命感のようなものが芽生えてきて。職域接種で、少しでも未来につながるような仕事ができたらいいなと思いました。コロナで社会全体が暗い感じになりがちなので、自分も社会で何かしなければという思いがより強くなったような気がします。

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