カウンセリングルームには、不眠、リストカット、不登校などの悩みを抱える人々がやってくる。人は確かに変わる。そのことに東畑さんは心を動かされている。
「医師が手術をして患者が回復する喜びとはちょっと違って、変われない時間を長く一緒に過ごす中で、あるときちょっと変わる。たとえば少しだけ人を許せるようになる。すると世界の見え方がちょっと変わる」
その時間の積み重ねで人生が大きく変わっていく。対人関係が苦手だったはずの男性が、いつのまにか彼女をつくっていたりする。
「僕が何かしているわけじゃなくて、長く付き合っていると思いもしない相手の側面が現れる。ああ、そんなことをする君がいたのかと。心の不思議な力を感じて、人間すばらしいなっていつも思うんです」
(仲宇佐ゆり)
※週刊朝日 2021年10月15日号
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