大きい地震が頻発している点を専門家はどう見るか。名古屋大の山岡耕春教授(地震学)はこう語る。
「今回の地震と首都直下型地震、南海トラフ地震は関係ない。大きな地震がたまたま近いタイミングで起こるということはあり得ます。しかし、巨大な地震はいつ起こってもおかしくありません」
東北大の遠田教授も「首都直下地震や南海トラフ地震とは関係しない」と見るが、「今回の地震は、安政江戸地震のような大きな地震が起きる懸念を示している」という。
安政江戸地震とは、1855年に起きた大地震で、江戸市中では1万人前後が亡くなったとされる。最大震度は6以上、M7程度だったとされるが、今回の地震の震度にプラス1をすると、安政江戸地震と同じような震度の分布になるという。
「安政江戸地震の震源には諸説ありますが、東京湾北部から千葉県北西部というのが有力です。今回と似たような場所で大地震を起こしている。M7になると、今回の地震よりもさらに大きな被害を広域でもたらす恐れがある。政府や東京都が想定している首都直下型地震は震度の深さが浅く、局所的な地震を想定していますが、より広範囲に揺れる首都直下地震も警戒するべきです」(遠田教授)
関東直下のプレートは3つのプレートがぶつかりあっており、その構造の詳細は専門家でもわかっていないのが現状だ。地震が来ても適切に対応できるように、改めて対策をしておこう。(AERAdot.編集部・吉崎洋夫)