7日夜、千葉県北西部を震源とするM(マグニチュード)6.1、最大震度5強、深さ75kmの地震が東京、千葉、埼玉など首都圏を襲った。この地震を受けて、各地で水道管が破損したほか、日暮里・舎人ライナーが脱輪するなど各地で被害が出た。東京23区内で震度5強以上の地震が発生したのは、2011年3月11日の東日本大震災以来、10年ぶり。消防庁によると、今朝まで重軽症者は32人も出ている。専門家は「より大きな地震が起きる懸念がある」と警鐘を鳴らす。
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「すごく揺れが長くて、怖かったです。子どもと寝ていましたが、スマホの緊急地震速報の音で飛び起きました」
こういうのは都内に住む女性だ。夜10時41分ころ、長く、横に揺れる強い地震が起きた。足立区(東京都)や川口市(埼玉県)などで震度5強、東京、埼玉、千葉、神奈川の各地で震度5弱を観測した。
今回の地震はプレートが大きく動いて起きた地震と見られている。関東の地下には陸のプレートの下に、南からフィリピン海プレート、さらにその下に東からの太平洋プレートが沈み込んで来ている。沈み込んだプレートが動いた分、揺れは大きくなり、広範囲に及ぶのが特徴だ。
気象庁によると、「階級2の長周期地震動」が起きたという。長周期地震動とは、ゆっくり長く揺れる地震のことだ。7日夜の地震は4階級あるうちの下から2番目の強さだが、物につかまらないと歩くことが難しいほどの揺れだ。
東北大の遠田晋次教授(地震学)は被害が大きくなった理由を、こう指摘する。
「震源の深さが深い結果、関東の広域で揺れたのでしょう。揺れに弱い部分が露呈した形です。2005年に千葉県北西部で同じような地震が夕方に起きており、鉄道が止まるなど大きな被害が起きています」
気になるのは、首都直下型地震や南海トラフ地震との関連だ。最近は大きい地震が各地で起きている。6日には大隅半島東方沖でM5.4、最大震度4の地震、岩手県沖でM5.9、最大震度5強の地震が起きている。その他にも9月19日には岐阜県飛騨地方で最大震度4、同16日には石川県能登地方でM5.1、最大震度5弱の地震が起きている。