(左から)山口二郎(やまぐち・じろう)1958年、岡山県生まれ。法政大学法学部教授(政治学)。近著に『民主主義は終わるのか』、共著に『異形の政権 菅義偉の正体』など(写真:本人提供)/池上彰(いけがみ・あきら)1950年、長野県生まれ。ジャーナリスト。近著に『知らないと恥をかく世界の大問題12』、共著に『いまこそ「社会主義」』など(写真:片山菜緒子)
(左から)山口二郎(やまぐち・じろう)1958年、岡山県生まれ。法政大学法学部教授(政治学)。近著に『民主主義は終わるのか』、共著に『異形の政権 菅義偉の正体』など(写真:本人提供)/池上彰(いけがみ・あきら)1950年、長野県生まれ。ジャーナリスト。近著に『知らないと恥をかく世界の大問題12』、共著に『いまこそ「社会主義」』など(写真:片山菜緒子)

池上:「敵の出方論」という言葉を使わないと共産党が表明しましたよね。政府は「暴力革命の方針に変更はないと認識」との見解を示しましたが、共産党がまたさらにイメージを大きく変えようとしているんだな、と受け取れました。

山口:暴力革命というのは、今の時代では想像もつかない話です。共産党は他の政党に比べて若手議員が多い党です。彼らにとってのテーマは、格差や貧困という社会矛盾に取り組むこと。その意味で、やはり名前は古めかしいというか……。党の中身は社会民主主義路線になっていると思います。

池上:ただやっぱり、国民民主党や連合のなかには根強い共産党アレルギーもありますね。

山口:共産党と手を組むことへの拒否感は依然として大きいです。選挙は政党間の戦略・協力ということで割り切って対処していても、一部の民間の組合は反共意識が強い。国民民主党はそこが支持基盤なので、動きづらい実情もあります。

池上:昔の民社党以来の伝統のようなものがありますよね。

山口:そうですね。民社党を支えた旧同盟系の労働組合の発想がまだあります。ただ、今の選挙制度のなかで民社党的なものをもう一度作るのは不可能。ここは割り切って、同じ政策目的を達成するためには中期的にでも協力することが必要です。

(構成/編集部・福井しほ)

AERA 2021年10月18日号より抜粋

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