2020年日本一になったソフトバンクホークスの祝勝会(C)朝日新聞社
2020年日本一になったソフトバンクホークスの祝勝会(C)朝日新聞社

 東京に来てからは、「どこのファン?」と聞かれたら、東京に住んでいるという理由だけで「巨人ファン」と答えていた。ある時、35歳の頃、ソフトバンクモバイル九州のお仕事をいただいた。福岡ヤフオク!ドーム(現・福岡PayPayドーム)行って、大きな旗を持って「新しい携帯電話が出ましたー!」って宣伝の仕事でした。そこで初めて知ったのが、球場でのファンサービスが素晴らしいんですよ。極端な事を言うと、1回から9回まで野球を見なくても楽しめるイベントがいたるところで行われていた。本当にファンの事をめちゃくちゃ考えてくれている。

 自分が野球から離れていたので、そういう状態であることを全く知らなくて、僕が知っている時代のパリーグなんて、お客が入らない球団ばかりだった。それが、ドーム球場は満杯になるし、福岡の地元の人たちに愛されていて、小さな子どもたちや野球を知らない人たちでも楽しめる環境になっていて、感銘を受けたんですよね。「これはなんだ!」と驚いて、ファンを大事にする点でもホークスが大好きになったんです。

 お金のある球団だということもあるかもしれないけれども、例えば「女子高校生デー」なんていう日にはレプリカユニフォームを来場者にバンバン配るわけですよ。スタッフに「女子高生デーってなんですか? イケメンが多い球団だからやっているんですか?」と聞いたら、イケメンが多いのもあるけど、福岡の女子高生の7~8割は地元に残って地元でファミリーを作るから、地元密着の球団としてはお母さんがホークスファンなら子どももホークスファンになってくれて、代々ホークスファンになってくれる。だから、若い子のファンを増やすことが大切なんだと教えてくれました。

 また、ソフトバンクの孫正義さんという偉大な人がホークスにはついているから、何でもやることが早いんですよ。「お客さんが見やすいように、ここにこれを作ろう」なんて発想があると、何年計画で完成とかでなく、すぐできるんですよ。その辺も素敵だなと思う。そこから、ファンになりました。

暮らしとモノ班 for promotion
節電×暖房どれがいい?電気代を安く抑えて温めるコツ
次のページ
思わず「ヤクルト応援します!」と言ってしまった