■小和田哲男さん「落城悲話に惹かれる山城」ベスト10

1位 鳥取城
鳥取城攻めは、天下人秀吉の栄光の戦いに位置付けられるが、実情は悲劇的な兵糧攻めだった。太閤ヶ平からの眺めは絶景。
2位 小谷城
戦国屈指の山城のひとつ。信長の妹で浅井長政の妻のお市の方と娘の「浅井三姉妹」が落城間際に織田方に引き渡された逸話は有名。
3位 岩村城
城主遠山景任の妻(遠山夫人)は信長の叔母。景任の死後、遠山夫人は武田方の秋山虎繁の妻となって和睦。信長の怒りをかった。
4位 八王子城
秀吉の小田原攻めの一環として、上杉景勝、前田利家、真田昌幸ら1万5千に攻められたが、小田原開城後まで抵抗を続けた。
5位 高天神城
武田勝頼が長篠の戦いに敗北したのち、織田方の徳川家康が高天神城を攻め、信長の意図を忖度して城方の降伏を許さなかった。
6位 七尾城
上杉謙信に攻められた際、まだ幼かった城主の畠山春王丸が城内に蔓延した病気で亡くなった。病が原因で落城した珍しいケース。
7位 岐阜城
斎藤氏の当時は稲葉山城。織田信長によって天下の堅城に造り替えられたが、関ヶ原の前哨戦においてはわずか1日で落城してしまう。
8位 月山富田城
中国地方の雄・尼子氏の居城。大内氏を撃退した名城だが、陶晴賢を討った毛利元就に包囲され、兵糧攻めの末に落城した。
9位 八上城
信長の命で丹波攻めを行った明智光秀は、城攻めののち降伏勧告。城主の波多野三兄弟は降伏したが信長によって処刑された。
10位 岩屋城
城主の高橋紹運は名将として知られ、最後まで徹底抗戦した。攻め手の島津方も損害が大きく、島津氏の九州統一の夢はくじかれた。

◎小和田哲男(おわだ・てつお)/1944年生まれ。静岡大学名誉教授。日本城郭協会理事長。戦国時代の研究を専門とする。『戦国の城』(学研M文庫)、『名城と合戦の日本史』(新潮文庫)、『人生を豊かにしたい人のための日本の城』(マイナビ新書)など、城に関する著書も多数。

(インタビュー構成/安田清人)

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