苗木城(岐阜県中津川市)がある中津川は巨岩・奇岩が見られる地として有名ですので、苗木城もそれを活かした城となっていて、やはり奇岩と石垣のコラボが素晴らしい。付近から城を見上げると、手前に木曽川が流れ、川のほとりの山上に苗木城の石垣が見える。とても絵になる景観です。
山中城(静岡県三島市)は、何といっても障子堀が有名です。よく整備されていて独特の風景を楽しめますし、富士山を背景に障子堀を撮影できますので、これもフォトジェニックという点では申し分ありません。
長岩城(大分県中津市)は、耶馬渓の奇岩を利用して造られた山城です。山の斜面に張り巡らされた石塁は、長岩城の一番の見どころです。
――石垣が絵になる山城が多いように感じますね。
玄蕃尾城(福井県敦賀市・滋賀県長浜市)は、土塁や堀によって構成される、土造りの城のラインがよく分かるという意味で、フォトジェニックな城です。山城は、夏は草木に、冬は雪に覆われてしまう場合も多いのですが、玄蕃尾城は割と一年中、楽しむことができる城です。
黒井城(兵庫県丹波市)は、独立丘陵に近い山上にありまして、山頂付近に比較的古い時代の石垣を見ることができます。周囲の山々を背景にして撮影する石垣はとても印象的です。
有子山城(兵庫県豊岡市)は、戦国期から近世初頭にかけて、段階的に山上から山麓に城の中心部が下りてきたので、景観から時代の変化を感じ取ることができます。もちろん山上の石垣も素晴らしいですし、山上から見下ろす江戸時代の城下町もフォトジェニックです。
御坂城(山梨県南都留郡富士河口湖町)は、甲斐と駿河の国境にある御坂峠に築かれた、日本有数の標高の高さを誇る山城です。お城自体にも見どころはあるのですが、登城ルートが、隣の山から尾根伝いに峠に向かって歩いてゆくような道で、その途中で見える富士山と河口湖の景観が抜群なのです。厳しい道のりを歩いて行く甲斐のある、素晴らしい景色が待ってくれています。