「『教場II』は役作りに3カ月かけるような作品でした。人としても役者としても成長できたけど、厳しさも体験して。そんなとき『直ちゃん~』のお話をいただいたので、厳しさの先にあったご褒美みたいでしたね。ただ、気づけば『怪奇酒』もセットで主演することになっていた。ホラーは苦手なのに、大人って怖いなって(笑)。面白いものにはしたいけど、台本をさわりたくない。ずっと葛藤していました」
夏には舞台「夜への長い旅路」に出演。大竹しのぶ、関ジャニ∞の大倉忠義、池田成志らベテランに囲まれ刺激を受けた。
「舞台のあとは思考がシンプルになった。形じゃなくて、真摯(しんし)に役に向き合い、感情を追求する大切さを改めて感じました」
「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」では、杉咲花と恋愛ドラマに挑む。今までよりも注目される立ち位置だ。
「プレッシャーとは違うけど、グッとくるものはあります。でも全部ワクワクに変換された感じ。ドラマは人と人のつながりの尊さを感じられる作品です。こんな時代だからこそ多くの方に届くとうれしいですね」
(ライター・大道絵里子)
※AERA 2021年10月18日号